イチョウの黄色は夏の緑の葉に隠れていた。では、モミジの赤は夏どこにあった?
秋、イチョウは黄色に、モミジは赤に色づきます。
でもイチョウの黄色は、秋に新しく生まれた色ではありません。夏の緑の葉の中にずっとあって、緑に隠れて見えなかっただけです。
では、モミジの赤は、夏の間どこにあったのでしょう?
最初に浮かぶ答え
「黄色と同じで、夏の緑の葉の中に隠れていた?」
少しだけ正解です。赤の色素は、夏の緑の葉にも少しはあります。でも、その多くは夏の葉にはありませんでした。では、秋のあの赤は、どこから来るのでしょう?
答え
モミジの赤(アントシアニン)の多くは、夏の間はまだどこにも無く、秋になってから葉が新しく作る色です。
秋は葉に出入りする管がだんだんせばまり、晴れた昼に作った糖が冷えた夜には流れ出にくくなるので、そのたまった糖と日の光で赤が作られます。
だから、日の光をよく受ける葉ほど赤が作られやすく、赤のあざやかさはその年の天気で大きく変わります。
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チャプター(15)
動画の台本(全文)
この動画は名前を変える前に作ったため、話の中では編集長を「所長」と呼んでいます。
0:00黄色は、夏の葉に隠れていた。じゃあ赤は?
ナル秋。イチョウは、黄色に。モミジは、赤に。
ナルでも、この黄色。秋に、新しく生まれた色じゃ、ないんです。
ナル夏の、緑の葉の中に、もう、ずっとあった。緑に隠れて、見えなかっただけ。
ナルじゃあ、モミジの赤も、夏の葉に、隠れていた……?
ナルところが、日本のカエデ、ハウチワカエデ。日の当たる外側の葉は、真っ赤。
ナル内側の葉は、最後は、赤の少ない、黄色っぽい色。
編集長同じ木で、色がちがうだと!? 赤は、どこに隠れとった! 調べてこい!
ナルヒントは、りんご農家が、知っていました。
ナルまる助の、なるほどラボ!
0:46黄色は、隠れていた色
ナルまずは、黄色から。
ナル葉の緑は、クロロフィルという色素。日の光を受けて、栄養を作る、葉の主役です。
ナル黄色の色素、カロテノイドも、夏の葉に、ちゃんと入っています。でも、緑がずっと多いので、隠れて見えない。
ナル秋、寒くなると、緑のクロロフィルが、分解されていきます。
ナル緑が消えると、下にあった黄色が、見えてくる。
ナルたとえるなら、緑の壁紙を、はがしたら、下から、黄色い壁が、出てきた。そんな感じです。
1:22赤も隠れていた?
ナルわかりました。赤も、緑の壁紙の下に、隠れていたんです!
編集長ボツ!
ナル…隠れていたのか、秋に作ったのか、色素を調べてから言え、だそうです。
1:36赤の色素を調べる
ナルでは、赤の色素を、調べます。赤の色素は、アントシアニン。
ナル調べると、この赤の多くは、夏の緑の葉には、ありませんでした。
ナル少しは、あります。でも、ほとんどは、秋になってから、葉が、新しく作る色なんです。
ナル壁紙の下に、赤い壁は、ほとんど無かった。秋に、わざわざ、赤く塗っていたんです。
ナルしかも、この赤は、日の光をよく受けると、作られやすくなります。
2:07りんご農家の玉まわし
ナルこれを、よく知っているのが、りんご農家です。
ナルりんごの赤い皮も、モミジと同じ、赤の色素、アントシアニンです。
ナル秋、農家は、実を、くるっと回して、日の当たらなかった側にも、日を当てます。
ナル「玉まわし」といって、色を、全体に、きれいにつけるためです。
2:28クイズ:赤の材料は?
ナルここで、クイズです!
ナル葉が、赤い色を作る、材料は何でしょう?A、根から吸い上げた、土の鉄分。B、葉が、日の光で作った、糖。C、分解された、緑の色素。
ナル正解は、Bの、糖です。
2:51糖がたまる仕組み
ナル葉は、昼、日の光で、糖を作ります。甘い栄養です。ふだんは、管を通って、枝や幹へ、送り出されます。
ナルところが、秋。葉に出入りする管が、だんだん、せばまっていきます。
ナル晴れた昼に、たくさん作った糖が、冷えた夜には、流れ出にくい。
ナル出口がせばまった葉の中に、糖が、たまっていくんです。
ナル1枚の葉で、見てみましょう。
ナル緑が、減っていく。糖が、たまっていく。そこに、日の光。赤が、増えていく。
ナルたまった糖を材料に、日の光を浴びて、葉が、赤を作る。それが、モミジの赤の正体です。
3:34天気で変わる赤
ナルだから、晴れた昼と、冷える夜が続く秋ほど、赤が、あざやかになります。
ナル逆に、強い霜で、葉が枯れてしまうと、赤は作れず、茶色になって、早く落ちてしまう。
ナル黄色は、もともとある色なので、毎年、比較的、安定。でも、赤のあざやかさは、その年の天気で、大きく変わるんです。
3:58外側の葉と内側の葉
ナルさあ、最初の、ハウチワカエデに戻りましょう。
ナル日の当たる外側の葉は、光をたっぷり浴びて、赤を、たくさん作れた。
ナル光の届きにくい内側の葉は、赤が少ししか作れない。だから、下にあった黄色が、顔を出して、黄色っぽく見えたんです。
4:19赤は、夏どこにあった?
ナルモミジの赤は、夏の間、どこにあったのか。
ナルほとんど、まだ、どこにも無かったんです。
ナル秋の日の光と、葉にたまった糖で、葉が、新しく作っていた。
ナル黄色は、隠れていた色。赤は、秋に作る色。なるほど!
4:38何のために赤を作る?
ナルでも、ちょっと待ってください。
編集長すぐ捨てる葉に、わざわざ色を塗るのか!? もったいない!
ナルそうなんです。何のために、赤を作るのか。実は、まだ決着していません。
ナル有力な説は、2つ。葉を守るため、か。虫を遠ざけるため、か。
4:57日傘説
ナル1つめ、日傘説。
ナル緑が減って、弱った葉に、強い光が当たると、葉の細胞が、傷んでしまいます。
ナルそこで、赤い色が、日傘のように光をやわらげて、葉を守る、という考えです。
ナル木は、葉を落とす前に、窒素などの大事な栄養を、枝や幹へ引き上げます。守られている間に、その引っ越しを済ませる、というわけです。
ナルアメリカで、こんな実験がありました。赤を作れない変わり種の木と、ふつうの木を、並べて、強い光と、冷え込みの、きびしい条件に置く。
ナルすると、赤を作れない木の葉は、緑のまま傷んで、落ちてしまった。栄養の引き上げも、少なかったんです。
ナルただ、赤が栄養の引き上げを助けるかは、ほかの研究では、はっきりしませんでした。
5:50虫への合図説
ナル2つめ、虫への合図説。
ナル秋に木へやってきて、卵を産むアブラムシに、「この木は手ごわいぞ、来ても得はないぞ」と、知らせている、という考えです。
ナルここで、また、りんごが出てきます。
ナルある研究で調べると、アブラムシは、秋に赤い葉になる、りんごの木を、避けていました。春に、アブラムシを木に移して比べても、秋に赤くなる木では、育ちが悪かった。本当に、手ごわい木だったんです。
ナルただ、反論もあります。避けたからといって、合図とは限らない。赤い葉は、虫の目に目立ちにくいだけかもしれない、というんです。
6:32まだ決着していない
ナル日傘か、合図か。どちらにも、支える研究と、疑問の声がある。赤の理由は、今も、研究の途中なんです。
編集長…なるほどな。日傘か、合図か。決着がついたら、すぐ報告してくれ。
ナル所長から、もみじの合格ハンコを、もらいました!
6:52今年の紅葉を見るときは
ナル今年の紅葉を見るときは、同じ木の、日の当たる側と、日陰の側の葉を、比べてみてください。
ナルあなたの近くで、いちばん赤い紅葉は、どこですか?コメントで教えてください。
ナルまる助の、なるほどラボでした!
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図で解説





もっと詳しく
葉の緑と黄色は、何の色?
葉の緑は、クロロフィルという色素です。日の光を受けて栄養を作る、葉の主役です。
黄色は、カロテノイドという色素です。一年中葉にあり、夏は緑がずっと多いので隠れて見えません。
秋に寒くなるとクロロフィルが分解され、下にあった黄色が見えてきます。緑の壁紙をはがしたら、下から黄色い壁が出てきたようなものです。
赤の色素は、夏の葉に少しも無かった?
赤の色素は、アントシアニンです。調べると、夏の緑の葉にも少しはありますが、ほとんどは秋になってから葉が新しく作ります。
同じ木で色が違うことだけでは、赤が夏からあったかどうかは決められません。色素を調べて、初めて分かることです。
この赤は、日の光をよく受けると作られやすくなります。材料は、葉が日の光で作った糖です。
なぜ、年によって赤のあざやかさが違う?
晴れた昼と冷える夜が続く秋ほど、赤があざやかになります。逆に、強い霜で葉が枯れてしまうと、赤は作れず、茶色になって早く落ちます。
黄色はもともと葉にある色なので、年ごとの差が比較的小さく、赤のあざやかさは、その年の天気で大きく変わります。
りんご農家は、なぜ実を回す?
りんごの赤い皮の色素も、モミジと同じアントシアニンの仲間です。
秋、農家は実を回して、日の当たらなかった側にも日を当てます。「玉まわし」といって、色を全体にきれいにつけるためです。
すぐ落とす葉に、何のために赤を作る?
実は、まだ決着していません。有力な説は、葉を守るための日傘説と、虫を遠ざけるための合図説の2つです。
どちらにも、支える研究と疑問の声があり、赤の理由は今も研究の途中です(2026年の時点)。
日傘説とは?
緑が減って弱った葉に強い光が当たると、葉の細胞が傷んでしまいます。そこで赤い色が日傘のように光をやわらげ、葉を守る、という考えです。
木は葉を落とす前に、窒素などの大事な栄養を枝や幹へ引き上げます。葉が守られている間に、その引っ越しを済ませるというわけです。
アメリカの実験では、赤を作れない変わり種の木とふつうの木を、強い光と冷え込みのきびしい条件に置くと、赤を作れない木の葉は緑のまま傷んで落ち、栄養の引き上げも少なくなりました。ただ、赤が栄養の引き上げを助けるかは、ほかの研究でははっきりしていません。
虫への合図説とは?
秋に木へやってきて卵を産むアブラムシに、「この木は手ごわいぞ、来ても得はないぞ」と知らせている、という考えです。
りんごの研究では、アブラムシは秋に赤い葉になる木を避けていました。春にアブラムシを木に移して比べても、秋に赤くなる木では育ちが悪くなりました。
ただ、反論もあります。避けたからといって合図とは限らず、赤い葉が虫の目に目立ちにくいだけかもしれない、というものです。
持ち帰る一言黄色は、隠れていた色。赤は、秋に作る色。今年の紅葉は、同じ木の日の当たる側と日陰の側で、葉を比べてみてください。
参考文献と確かめ方
- 東京大学 UTokyo FOCUS「秋にモミジが赤くなるのはなぜ?」(樋口裕美子、2022年9月27日)
- Wisconsin DNR「Fall colors」
- Kitao ほか(2022)Frontiers in Plant Science(ハウチワカエデ)
- 農林水産省 aff 2018年10月号(りんごの玉まわし)
- 農林水産省 aff 2021年10月号(りんごの赤い皮の色素)
- Hoch ほか(2003)Plant Physiology(日傘説の実験)
- Hamilton, Brown(2001)Proc. R. Soc. B(合図説)
- Archetti(2009)Proc. R. Soc. B(りんごとアブラムシ)
- Chittka, Döring(2007)PLoS Biology(合図説への反論)
- Wikipedia「Autumn leaf color」「Anthocyanin」
このページは、動画の台本と上の資料をもとにAIが書きました。台本は、書いたAIとは別のAIが、資料の本文と照らして確かめています(2026年11月2日)。理学の修士号と、高校理科の教員免許を持つ人も読んで確かめてから出しています。数字は、その時点のものです。わかりにくかったところ、誤りのご指摘、調べてほしい問いは、[email protected] へお寄せください。