トークン(AIの言葉の単位)とは?
別の呼び名:Token
1分で解説
トークンとは、AIが文章を読み書きするときに使う、言葉の小さなかけらのことです。
ChatGPT や Claude のような、言葉をあつかうAI(大規模言語モデル)は、文章をまずトークンに切り分け、1つずつ番号に置きかえて読みます。答えを書くときも、次に来るトークンを1つずつ選んでつなげます。かけらの大きさはまちまちで、「こんにちは」が1トークンのこともあれば、1文字が2つ以上のトークンに分かれることもあります。
AIが一度に読み書きできる量の上限や、使った量に応じた料金は、文字の数ではなく、トークンの数で決まります。ふつうは、長い会話ほど1回に読むトークンが増え、前のほうの話を正しく思い出しにくくなることもあります。また、AIの種類(作った会社や世代)によって切り方がちがうと、同じ文でもトークンの数が変わります。
よくある思い込み
「1トークンは1文字(英語なら1単語)のこと」
半分だけ合っています。1文字や1単語が、ちょうど1トークンになることはよくあります。でも、5文字の「こんにちは」が1トークンになることもあれば、1文字が2つ以上のトークンに分かれることもあります。切り方はAIの種類や世代によってちがうことがあり、そのときは同じ文でもトークンの数が変わります。
図で解説
たとえるなら
スタンプで手紙を作る
文字のスタンプで手紙を作るところを想像してください。セットには「あ」「い」のような1文字のスタンプのほかに、「です」「こんにちは」のように、よく使う言葉がまるごと彫られたスタンプも入っています。
よく使う言葉は、1回押すだけで書けます。めずらしい言葉は、小さなスタンプを何回も押して作ります。この押した回数が、トークンの数です。紙の大きさに限りがあるように、AIが一度に読み書きできる量にも、この回数で上限があります。
ただし、AIのスタンプのセットは、人が選んだものではありません。たくさんの文章から、よく出てくる並びを数えて、自動で作られます。セットの中身は、AIの種類や世代によってちがうことがあります。それに、AIが見ているのはスタンプの形ではなく、スタンプに付いた番号の並びです。
ポイント解説
なぜ、文字や単語ではなく「かけら」にするの?
単語を1つずつ覚えておくやり方だと、覚えていない新しい言葉や、めずらしい名前が出てきたときに困ります。かといって1文字ずつに切ると、どんな言葉でも読めますが、文章がとても長い列になり、あつかうのに手間がかかります。
そこで、よく出てくる並びは大きな1つのかけらに、めずらしい言葉は小さなかけらの組み合わせにします。AIの会社 Anthropic も、大きなかけらは効率がよく、小さなかけらは初めて見る言葉もあつかえる、と説明しています。たとえば英語の「tokenization(トークン化)」は、「token」と「ization」の2つになります(GPT-4o の区切り方)。
かけらは、だれが、どうやって決めるの?
人が1つずつ決めるのではなく、たくさんの文章から自動で作ります。よく使われるやり方では、はじめは、いちばん小さな単位を1つずつのかけらにします。そして、文章の中でいちばん多く隣り合っている2つを、1つの新しいかけらにまとめる。これを、かけらの種類が決めた数になるまでくり返します。
たとえば、たくさんの文章の中で「で」のすぐ後に「す」が来ることがとても多ければ、2つをまとめて「です」という1つのかけらにします。実際に GPT-4o の区切り方では、「です」が1つのかけらです。こうして、よく出てくる並びほど、大きな1つのかけらにまとまっていきます。日本語のように、単語の間に空白が無い言葉の文章からも、同じように区切り方を学べます。
日本語は、どう切られるの?
日本語でも、文字の数とトークンの数はそろいません。GPT-4o の区切り方では、「私は猫が好きです。」の9文字が「私は」「猫」「が」「好き」「です」「。」の6トークンになり、「トークン」という4文字の言葉は、「ト」「ーク」「ン」の3トークンになりました。
同じ意味でも、言葉がちがうと数もちがいます。英語の「I like cats.」は4トークン、同じ意味の「私は猫が好きです。」は6トークンでした(どちらも GPT-4o の区切り方)。前の GPT-4 の区切り方では、同じ日本語の文が10トークンになり、「猫」の1文字が3つに分かれました(わけは図の説明に)。
トークンの数で、何が決まるの?
1つは、AIが一度に読み書きできる量の上限です。これを「コンテキストウィンドウ」といい、AIの「作業用の記憶」のようなものです(Anthropic の説明)。たとえば Claude の新しいモデルでは、100万トークンです(2026年11月)。Google の説明書は、100万トークンを「ふつうの長さの英語の小説8冊分」などとたとえています(英語の場合。言葉がちがえばトークンの数も変わります)。長い資料を読ませると、入りきらないこともあります。
もう1つは料金です。AIを使った量だけ払うしくみ(会社が自分のアプリにAIを組み込むときなど)では、料金はトークンの数で決まり、読ませた分と書かせた分を別々に数えます。Claude では、書かせる分が、読ませる分の5倍の値段です(2026年11月)。
長い会話ほど、トークンが増えるのはなぜ?
ふつうは、AIが返事を書くたびに、それまでのやりとりを最初から全部読むからです(Anthropic の説明)。会話が10往復なら、10回目の返事では、前の9往復分もまとめて読みます。アプリによっては、古い部分を消したり、短くまとめたりして、読む量をおさえることもあります。
そのため長い会話では、上限に近づくだけでなく、トークンが増えるほど、前のほうの話を正しく思い出しにくくなることもある、と Anthropic は書いています。話が変わったら新しい会話にすると、読む量が減ります。
暗号資産やログインの「トークン」とは、ちがうの?
ちがうものです。英語の token は、もともと「しるし」という意味の言葉(古英語の tācn)で、お金の代わりのコインなども指します。分野ごとに、別のものをトークンと呼びます。
暗号資産(仮想通貨)の話では、だれが持っているかを記録できる、デジタルのしるし。ログインの仕組みでは、アプリが決められた範囲のことを、決められた間だけしてよい、という許可を表す文字列です。AIの話のトークンは、ふつう、このページの「言葉のかけら」のことです。
確認問題
問1「トークン」という4文字の言葉を、GPT-4o の区切り方で切ると、いくつのトークンになった?
答えと解説
答え:C 3トークン
「ト」「ーク」「ン」の3トークンです。1文字ずつでも、言葉まるごとでもありません。反対に「こんにちは」は、5文字で1トークンでした。文字の数とトークンの数は、そろわないのです。
問2GPT-4 の区切り方で、「猫」の1文字が、いくつかのトークンに分かれたのはなぜ?
答えと解説
答え:B 表に無い字を、文字を表す小さな数ごとに切るから
UTF-8 という決まりでは、「猫」は3つの小さな数でできています。GPT-4 の区切り方は、かけらをこの小さな数から組み立てるので、表に「猫」まるごとのかけらが無いと、3つのまま残ります。GPT-4o の区切り方では、「猫」は1トークンです。
問3AIとの会話で、AIが返事を書くとき、ふつう読むのは?
答えと解説
答え:A その回の質問と、それまでのやりとり全部
ふつうは、返事のたびに、それまでのやりとりを全部、もう一度読みます。前の話はAIの中に残っているのではなく、毎回、新しい質問といっしょに読み直しているのです。だから長い会話ほど、1回に読むトークンが増えます(アプリによっては、古い部分を消したり短くまとめたりします)。
関連用語
- 大規模言語モデル
- コンテキストウィンドウ
- トークナイザー
- 混合エキスパート
- 機械学習
この用語が出てくる問い
参考文献と確かめ方
- Anthropic「Glossary」(Tokens・Context window)
- Anthropic「Context windows」
- Anthropic「Pricing」(料金。2026年11月6日に確かめた)
- Google「Understand and count tokens」(Gemini API)
- Google「Long context」(Gemini API。100万トークンのたとえ)
- Google「Machine Learning Glossary: Language」(token・tokenizer・auto-regressive model)
- OpenAI「tiktoken」(区切りの道具。このページの区切りの例は、2026年11月6日に版0.14.0で切った結果)
- OpenAI「tiktoken」の model.py(GPT-4o は o200k_base、GPT-4 は cl100k_base)
- OpenAI「tiktoken」の _educational.py(BPE を、1バイトずつのかけらから始める)
- Rico Sennrich ほか「Neural Machine Translation of Rare Words with Subword Units」(arXiv 2015年、ACL 2016)
- Taku Kudo・John Richardson「SentencePiece」(arXiv 2018年、EMNLP 2018)
- RFC 3629「UTF-8」
- ethereum.org「Non-fungible tokens (NFT)」
- RFC 6749「The OAuth 2.0 Authorization Framework」(アクセストークン)
- Wiktionary(英語版)「token」
このページは、上の資料をもとにAIが書き、書いたAIとは別のAIが、資料の本文と照らして確かめました(2026年11月6日)。理学の修士号と、高校理科の教員免許を持つ人も読んで確かめてから出しています。数字は、その時点のものです。わかりにくかったところ、誤りのご指摘、解説してほしい用語は、[email protected] へお寄せください。