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大規模言語モデル(LLM)とは?

別の呼び名:Large Language Model

用語解説 ・ 確かめた日 2026年11月6日 ・ 読む 10分

1分で解説

ものすごくたくさんの文章で「次に来る言葉」を当てる練習をして、文章を読み書きできるようになった、とても大きなAIのことです。

「言語モデル」は、文の続きにどの言葉が来やすいかを、確率(どれくらい起こりやすいかを表す数)で計算するしくみです。「大規模」は、中にある「パラメーター」という数がとても多く、学ぶ文章の量もけた外れに多い、という意味です。パラメーターは、音量のつまみのように少しずつ回して合わせる数で、どの言葉が来やすいかの計算に使われます。大きなものでは何千億個、なかには何兆個のものもあります。LLM は、英語の Large Language Model の頭文字です。

ChatGPT などのチャットAIの中心にあるのが、LLM です。答えを書くときも、次の言葉を1つ選んでつなぐ、をくり返しています。よく続く言葉を選ぶしくみなので、もっともらしいのにまちがった文を書くこともあります。

よくある思い込み

「ChatGPT のようなAIは、聞かれるたびにインターネットで調べて、正しい答えを見つけている」

半分だけ合っています。ネット検索の道具を使えるチャットAIもあり、そのときは調べた結果をもとに、出典をつけて答えます。でも、LLM そのものは、学んだ文章をもとに「次に来そうな言葉」を選んで文を作っています。調べていないときは、学んだあとに起きたことを知らないことがあります。また、出典がついていても、答えが正しいとはかぎりません。大事なことは、出典を開いて確かめましょう。

図で解説

次の言葉を当てるしくみの図。①いままでの文「むかしむかし、あるところに」をLLMに入れると、②次の言葉の候補ごとに確率が出る(おじいさん60%、お姫さま25%、ロボット5%。数字はたとえ)。③1つ選んで文のうしろにつなぎ、のびた文を①に戻してくり返す。
左の①が、ここまでの文です。まん中のLLMが、右の②のように、次に来そうな言葉の候補ごとに確率を出します(数字はたとえ)。太い枠で囲んだ「おじいさん」が、選ばれた言葉です。確率の高い言葉ほど選ばれやすいですが、ほかの言葉が選ばれることもあります。下の③で文のうしろにつなぎ、左の矢印のとおり①に戻って、くり返します。
LLMがチャットAIになるまでの3段。①事前学習:ものすごく多くの文章で、次の言葉当てを練習する(例:GPT-3、2020年)。②仕上げの学習:答え方の手本や、人が良いと選んだ答えで、さらに学ぶ(例:ChatGPT、2022年に公開)。③使う:質問の続きとして、答えの言葉を1つずつつなぐ。使うだけでは、中の数は変わらない。下の帯:中の数(パラメーター)は、①と②の学習で決まる。
左から右へ進みます。①(紙の束の絵)は「事前学習」。使う前にまずする学習で、たくさんの文章で次の言葉当てを練習します。②(人と○×のカードの絵)は、人が良いと選んだ答え(○)と選ばなかった答え(×)などを使って仕上げる学習です。③(ふきだしの絵)は使うときで、質問の続きとして答えを書きます。下の帯のとおり、つまみ(パラメーター)が合わせられるのは①と②のときです。
パラメーターの数を棒の長さで比べた図。GPT-2(2019年)は15億で、線のように細い。GPT-3(2020年)は1750億で、GPT-2の約120倍。Llama 3.1(2024年、最大の版)は4050億で、GPT-2の約270倍。棒の下に学んだ量(約800万の文書〔40GB〕、3000億トークン、15兆トークンより多い)。下の点線の枠:最近は、大きさを公表しないモデルもある(GPT-4など)。
左に並ぶのがモデルの名前と年で、名前の下の「〜倍」は、GPT-2 とくらべた大きさです。棒の長さはパラメーター(つまみ)の数で、GPT-2 の棒は短すぎて線のように見えます。棒の下の小さな字は学んだ文章の量で、トークンは文章を細かく切ったかけらです。下の点線の枠は、大きさを公表しないモデルもあることを表しています。

たとえるなら

スマホの「予測変換」の、ずっと大きな版

スマホで「おはよう」と打つと、「ございます」などの続きが、候補に出てきますね。よく続く言葉を、先回りして出してくれるしくみです。

大規模言語モデルは、これをとてつもなく大きくしたものに近いです。ものすごくたくさんの文章で、続きを当てる練習をしてきたので、長い文章の流れまで読んで、次の言葉を選べます。選んだ言葉をつなぎ、また次を選ぶ。これをくり返すと、答えや説明の文章になります。

ただし、たとえが合わないところもあります。予測変換は候補を出すだけで、選ぶのはあなたです。LLM は自分で選び、文章を最後まで書きます。また、LLM はけた違いの量の文章で練習したので、言葉の並びだけでなく、世の中のことも、ある程度覚えています。それでも、どちらも「よく続く言葉」を選ぶしくみなので、選んだ言葉が正しいとはかぎりません。

ポイント解説

「言語モデル」って、どういう意味?

文の続きに、どの言葉がどれくらい来やすいかを計算するしくみです。たとえば「池の水は、とても」の続きなら、「きれい」や「つめたい」は来やすく、「冷蔵庫」は来にくいですよね。言語モデルは、こうした来やすさを、確率(どれくらい起こりやすいかを表す数)で表します。

選ぶときは、いつも確率がいちばん高い言葉にするとはかぎりません。確率の高い言葉ほど出やすいくじ引きのように選ぶのがふつうだ、と教科書は説明しています。だから、同じ質問でも、答えの文が変わることがあります。

言語モデルそのものは昔からあり、話した声を文字にするしくみなどに使われてきました。昔のものは、しくみの簡単なものでした。いまの LLM は、それをずっと大きく、複雑にしたものです。

パラメーターって、何をしている数?

LLM は、言葉を数に置きかえて、たくさんの掛け算や足し算をして、次の言葉の確率を出します。そのときに使う数が、パラメーターです。音量のつまみのように、少し回すと、結果が少し変わります。ただし、1つのつまみが1つの言葉や知識を受け持つのではなく、たくさんのつまみがいっしょに計算に使われます。

学ぶときは、文章の続きを当てさせて、正しい言葉の確率が上がる向きへ、つまみを少しずつ回します。これを、ものすごくたくさんの文章でくり返すうちに、つまみが合っていきます。人が1つずつ回すのではありません。学ぶ文章の量は、「トークン」(文章を細かく切ったかけら)の数で数えます。

つまみの数がどれくらい増えてきたかは、上の「大規模」の図にあります。大きくして、たくさん学ばせるほど性能が上がりやすい、と教科書は説明しています。

ChatGPT と LLM は、同じもの?

ぴったり同じではありません。LLM は、チャットAIの中で文章を作る、頭脳にあたる部分です。ChatGPT は、OpenAI という会社のチャットAIの名前です。最初の ChatGPT(2022年11月)は、OpenAI の LLM「GPT-3.5」のなかまを、会話向けにさらに学ばせて作られました。Claude や Gemini は、LLM の名前でもあり、それを使ったチャットAIの名前でもあります。

たくさんの文章で学んだだけの LLM は、質問に答えずに、似た質問を書いてしまうことがありました。そこで、質問と答えの手本や、人が良いと選んだ答えを使って、さらに学ばせます(仕上げの学習)。OpenAI の2022年の研究では、仕上げの学習をした、つまみが13億個のモデルの答えのほうが、つまみが1750億個の GPT-3 の答えより、人に好まれました。大きくするだけでは、頼んだとおりに答えるのがうまくなるとはかぎらない、と研究者は書いています。

「次の言葉当て」だけで、なぜ質問に答えられるの?

続きを当てるには、知識も要るからです。たとえば「日本の首都は」の続きを当てるには、「東京」を知っていないといけません。たくさんの文章で続きを当てる練習をくり返すうちに、LLM は、言葉の使い方だけでなく、世の中のことも身につけていく、と教科書は説明しています。質問をされると、その質問を文章の始まりとして、答えにあたる続きを書きます。

この答え方は、人が1つずつ書き込んだものではありません。Claude を作っている Anthropic という会社は「Claude のような言語モデルは、人が直接プログラムするのではなく、大量のデータで学ぶ」と書いています。中でどう計算しているのかは、作った会社にもまだ多くが分かっていない、とも書いています。同じ会社の研究では、Claude が、覚えた答えをそのまま写すのではなく、別々に知っていることを中で組み合わせて答えている様子も見つかっています(たとえば「ダラスはテキサス州にある」と「テキサス州の州都はオースティン」を組み合わせる)。

なぜ、まちがったことを言うの?

LLM が選ぶのは「よく続く言葉」で、それがいつも正しいとはかぎりません。こうして事実とちがう文を書いてしまうこと(とくに、実在しない人や事実を作ってしまうこと)を、「ハルシネーション」と呼びます。英語で「幻覚」という意味の言葉です。

2025年の論文で研究者たちは、むずかしい試験で生徒が当てずっぽうに答えるように、LLM も自信がないときに推測で答えてしまうことがある、と説明しています。学習や採点のしかたが、「分かりません」と言うより、推測でも答えるほうを高く評価しがちだからだ、というのが論文の考えです。

また、学び終えた後に起きたことは、知らないことがあります。たとえば OpenAI の GPT-4(2023年)は、学んだデータのほとんどが2021年9月までのものでした。ネット検索の道具を使えるAIなら、新しい情報を調べて、出典を示しながら答えられます。ただ、2025年の同じ論文は、検索を使うとまちがいは減るものの、なくなるわけではない、とも書いています。

使うほど、どんどん賢くなるの?

話しているだけでは、ふつう LLM のパラメーター(つまみ)は変わりません。会話の中で見せた例をまねて答えることはできますが、教科書によると、それはその会話の中だけのことで、会話が終わっても、LLM の中には残りません。

つまみが変わるのは、作る側が学ばせ直したり、追加で学ばせたりして、モデルを新しくしたときです。

同じ「LLM」という略語で、ちがうものを指すことはある?

あります。AIとは関係のない、法律の分野の言葉です。大学院で法律を深く学んだ人がもらう「法学修士」という学位(学んだことを示す称号)があり、英語では Master of Laws といい、LL.M. や LLM と略します。たとえばアメリカのハーバード大学には、1年で学ぶ LL.M. の課程があります。AIの話で出てくる LLM は、ふつう大規模言語モデルのことです。

確認問題

  1. 問1ネット検索などの道具を使わない LLM が、「日本の首都は」の続きに「東京」と書けるのは、なぜ?

    答えと解説

    答え:A 続きを当てる練習を何度もくり返すうちに、身についたから

    続きを当てるには、知識も要ります。たくさんの文章で続きを当てる練習をくり返すうちに、LLM は世の中のことも身につけていきます。人が知識の一覧を書き込んだのではなく、覚えた文を探して写しているのでもありません。

    くわしくは → ポイント解説:「次の言葉当て」だけで、なぜ質問に答えられるの?

  2. 問2OpenAI の2022年の研究で、つまみが1750億個の GPT-3 よりも、人に好まれた答えを書いたのは、どんなモデル?

    答えと解説

    答え:C つまみは少なくても、人が選んだ答えでさらに学んだモデル

    好まれたのは、つまみが13億個で、質問と答えの手本や、人が良いと選んだ答えで仕上げの学習をしたモデルでした。大きくするだけでは、頼んだとおりに答えるのがうまくなるとはかぎらない、と研究者は書いています。

    くわしくは → ポイント解説:ChatGPT と LLM は、同じもの?

  3. 問3同じ質問をしても、LLM の答えの文が変わることがあるのは、なぜ?

    答えと解説

    答え:B 次の言葉を、出やすさに合わせて毎回選び直しているから

    LLM は、確率の高い言葉ほど出やすいくじ引きのように、次の言葉を選ぶのがふつうです。選ぶ言葉が1つちがうと、その先の文も変わっていきます。話しているだけでは中のつまみは変わらず、覚えた文を写しているのでもありません。

    くわしくは → ポイント解説:「言語モデル」って、どういう意味?

参考文献と確かめ方

このページは、上の資料をもとにAIが書き、書いたAIとは別のAIが、資料の本文と照らして確かめました(2026年11月6日)。理学の修士号と、高校理科の教員免許を持つ人も読んで確かめてから出しています。数字は、その時点のものです。わかりにくかったところ、誤りのご指摘、解説してほしい用語は、[email protected] へお寄せください。

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