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深層学習(ディープラーニング)とは?

別の呼び名:ディープラーニング、Deep learning

用語解説 ・ 確かめた日 2026年11月8日 ・ 読む 18分

1分で解説

深層学習(ディープラーニング)とは、層を何段も重ねたニューラルネットワーク(計算する小さな部品をつないだしくみ)に、たくさんのデータから学ばせる、機械学習のやり方の1つです。

層を重ねると、簡単なものを組み合わせて、複雑なものを表せます。写真なら、前の方の層が線や角を、途中の層が模様や部品を、後ろの方の層が物全体をとらえます。写真のどこを手がかりにするかを人が決めなくても、学ぶうちに層が自分で見つけるのが、それまでのやり方との大きなちがいです。

考え方は前からありましたが、大きく広がったのは2010年代です。大量のデータと、ゲームの絵を描くためのチップ(GPU)を使った速い計算がそろい、2012年には、深層学習のネットワークが写真を見分ける大会で、大差の1位になりました。今では、音声認識や、ChatGPT のような対話のAIにも使われています。

よくある思い込み

「層を深くすればするほど、AIはかしこくなる」

半分は合っています。写真に写っているものを当てる大会(ILSVRC)では、2014年には22層のネットワークが、2015年には152層までのネットワークを組み合わせたものが1位になり、層を深くしたものが、まちがいを減らしていきました。でも、層をただ増やすだけでは、かえって悪くなることがあります。2015年、Microsoft の研究者たちが層をそのまま重ねて試すと、56層のものは20層のものより、学びに使ったデータでさえ、まちがいが多くなりました。覚えすぎ(過学習)のせいではありません。そこで、いくつかの層を飛びこえて入力を先へ渡す「近道」を足すと、152層でも学べるようになりました。深さを生かすには、学ばせ方の工夫が要るのです。

図で解説

ニューラルネットワークの層を表した模式図(絵は、このページで描いた例)。題「「深い」とは、層が何段も重なっていること」。丸は計算する部品(ニューロン)、線はつながり。上の段「浅い(隠れ層が1つ)」:左から「入力の層」「隠れ層」「出力の層」の3列で、どの列も丸が3つ。となりの列の丸どうしは、すべて線でつながる。点線で囲んだ隠れ層の列の右に「点線で囲んだ縦の1列が、1つの層。前の層から数を受け取って計算し、次の層へ渡す」。下の段「深い(隠れ層が何段も)」:入力の層と出力の層のあいだに、隠れ層が4列。上にかっこで「隠れ層を何段も重ねる(この絵では4段)」。下に、左から右への矢印と「答えを出す計算は、左から右へ、1段ずつ順に進む」。いちばん下の帯:本物は、22層や152層にもなる(写真の大会の1位、2014年と2015年)。
丸の1つ1つは、数を受け取って計算する小さな部品(ニューロン)で、縦に並んだ1列が1つの層です。入力の層にデータの数が入ると、前の層の結果を受け取って計算しては次の層へ渡すことをくり返し、出力の層が答えを出します。入力と出力のあいだの層を隠れ層といい、Google の機械学習の用語集は、隠れ層が2つ以上あるものを「ディープ(深い)モデル」と呼んでいます。MIT のニュースの解説によると、1960年代のネットワークは1層、1980年代は2〜3層でした。写真の大会で1位になったものは、2014年に22層、2015年には最大152層でした(絵は、このページで描いた例。丸と線は、本物よりずっと少なくしてある)。
写真を見分けるネットワークで、層ごとに何をとらえるかを表した図(絵は、このページで描いた例。Google の研究者の説明と、ゼイラーとファーガスの2013年の論文から)。題「層を重ねると、簡単な形から複雑なものへ」。左から右へ矢印でつながった5つの箱。いちばん左の「入力」の箱は「写真」で、点(画素)の色の数。その右の4つの箱の上に、かっこで「層を何段も重ねる(左から右へ、順に計算する)」。「前の方の層」は「線・角」(いろいろな向きの線)、「途中の層」は「模様」(あみ目、文字の模様)、「後半の層」は「部品」(犬の顔、鳥の脚)、「最後の層」は「物全体」(犬、キーボード)。いちばん下の帯:何をとらえるかは、人が決めない。学ぶうちに、層が自分で見つける。
写真を見分けるネットワークでは、入力に近い層ほど簡単な形に、答えに近い層ほど複雑なものに反応します。Google の研究者たちは、最初の層は線や角を探し、途中の層はそれを組み合わせて形や部品を探し、最後の方の層で全体をまとめる、と説明しています。ゼイラーとファーガスが2013年の論文で、学び終えたネットワークを調べると、2つ目の層は角や線と色の組み合わせに、3つ目はあみ目や文字の模様に、4つ目は犬の顔や鳥の脚に、5つ目は犬やキーボードのような物全体に反応していました。どの層が何をとらえるかは、人が決めたのではありません(絵は、このページで描いた例)。
写真に写っているものを当てる大会 ILSVRC の、まちがいの割合の棒グラフ(大会をまとめた Russakovsky ほかの論文と、He ほかの2015年の論文の数)。題「写真の大会で、2012年からまちがいが急に減った」。縦は「まちがいの割合」で0%から30%、5つの候補の中に正しい答えが無かった割合(低いほどよい)。しま模様の棒は「深層学習でないやり方」、ぬりつぶした棒は「深層学習」。2010年の1位はしま模様で28.2%。2012年は、1位のぬりつぶした棒が16.4%、すぐ右の2位のしま模様の棒が26.2%。2013年の1位は11.7%、2014年の1位は6.7%(22層)、2015年の1位は3.6%(最大152層)で、どれもぬりつぶした棒。横の点線は「人 5.1%」で、2015年の棒だけが点線より下。いちばん下の帯:2014年には、上位のチームがみな深層学習に大きく頼っていた。
縦は、写真1枚に挙げた5つの候補の中に、正しい答えが無かった割合(低いほどよい)です。2010年の1位は、人が考えた特徴の作り方(SIFT・LBP)を使い、28.2%でした。2012年、トロント大学のチームが深いネットワークで16.4%を出し(ほかの写真でも前もって学ばせた版は15.3%)、2位の26.2%を大きく引きはなしました。そのあとは深層学習が1位を続け、2015年には、152層までの ResNet を組み合わせたものが3.57%になりました。点線の5.1%は、練習した専門の1人が、1500枚の写真で試した値です(2011年は省いた)。
深層学習が2010年代に広がったわけを表した図(MIT のニュースの解説、コンピューター歴史博物館の記事、Russakovsky ほかと Hinton ほかの論文から)。題「2010年代に、3つがそろった」。上の段は、左から矢印でつながった4つの箱:「1940年代 考え方が出る」「1980年代 ふたたび研究」「2000年代 下火に」(点線の箱)「2010年代 大きく広がる」。中の段は3つの箱:「① データ:ImageNet」名前の付いた写真の集まり、2009年に完成、2014年に約1420万枚。「② 計算:GPU」ゲームの絵を描くチップ、小さな計算の部分を1つのチップに何千も持つ。「③ 工夫:ドロップアウト」ニューロンの半分を、学ぶ例ごとに、でたらめに休ませて、覚えすぎを防ぐ。3つの箱から下へ矢印が出て、いちばん下の帯:2012年、3つを合わせた AlexNet が、写真の大会で大差の1位。
ニューラルネットワークの考え方は1940年代からあり、1980年代にふたたび研究されたあと、2000年代には下火になりました(MIT のニュースの解説)。2010年代に広がったのは、3つがそろったからです。名前の付いた写真の大きな集まり ImageNet、ゲームの絵のために作られ、たくさんの簡単な計算を同時に進められる GPU、覚えすぎを防ぐドロップアウトのような学ばせ方の工夫です。コンピューター歴史博物館の記事は、深いネットワーク・大きなデータ・GPU の計算を初めて合わせたのが2012年の AlexNet で、3つは、それぞれほかを必要とした、と書いています。

たとえるなら

線から字、字から言葉へ

深層学習の層の重なりは、私たちが文を読むときの段どりに似ています。目に入るのは、まず線や点です。線が組み合わさって字になり、字が並んで言葉になり、言葉が並んで文の意味になります。前の段で分かったものを材料にして、次の段で、もっと大きなまとまりをとらえるのです。

写真を見分ける深層学習も同じように、前の方の層が線や角を、途中の層が模様や部品を、後ろの方の層が物全体をとらえます。段が少ないと、線から一気に意味までたどり着かなければなりません。段を重ねると、1段ずつは簡単なままで、全体では複雑なものを表せます。

ただ、たとえが合わないところもあります。人は、字の形や読み方を、先生に教わります。深層学習では、どの層が何をとらえるかを、だれも教えません。たくさんの例を見るうちに、答えに役立つまとまりを、層が自分で作ります。そのまとまりは、人が調べてみないと分からず、言葉にしにくいものもあります。

ポイント解説

「深い」って、何が深いの?

層の数です。2015年、ルカン(Yann LeCun)、ベンジオ(Yoshua Bengio)、ヒントン(Geoffrey Hinton)は、科学誌『Nature』の解説で、深層学習を、たくさんの処理の層でできた計算のしくみに、データの表し方を、まとまりの度合い(抽象の度合い)がちがう何段もの段階で学ばせるやり方だ、と書いています。MIT(マサチューセッツ工科大学)のニュースの解説も、「深層学習」の「深い」は、ネットワークの層の深さのことだ、としています。

ニューラルネットワークでは、数を受け取って計算する小さな部品(ニューロン)が並んで、1つの層になります。いちばん前の入力の層にデータの数が入ると、前の層の結果を受け取って計算しては次の層へ渡すことをくり返し、いちばん後ろの出力の層が答えを出します。Google の機械学習の用語集は、入力と出力のあいだの層(隠れ層)が2つ以上あるニューラルネットワークを、「ディープ(深い)モデル」と呼んでいます。ニューラルネットワークの中のしくみ(ノード・重み・学び方)は、「ニューラルネットワーク」のページでくわしく説明します。

MIT の解説によると、1960年代のネットワークは1層、1980年代は2〜3層でしたが、今の GPU のおかげで、10層、15層、50層にもなりました(2017年の解説)。写真に写っているものを当てる大会(ILSVRC)で1位になったものは、2014年の GoogLeNet が22層、2015年の ResNet は、いちばん深いもので152層でした。

層を重ねると、何ができるようになるの?

前の層が見つけたものを組み合わせて、もっと複雑なものを表せるようになります。Google の研究者たちは2015年、写真を見分けるネットワークは、ふつう10〜30の層を重ねたもので、最初の層は線や角を探し、途中の層はそれを組み合わせて、ドアや葉っぱのような形や部品を探し、最後の方の層は、それらをまとめて全体を読み取る、と説明しています。

2013年、ゼイラー(Matthew Zeiler)とファーガス(Rob Fergus)は、学び終えたネットワークの層ごとに、どんな絵に強く反応するかを、目で見える形にしました。2つ目の層は角や、線と色の組み合わせに、3つ目の層はあみ目や文字のような模様に、4つ目の層は犬の顔や鳥の脚のような部品に、5つ目の層は、犬やキーボードのような物全体に反応していました。論文は、これで特徴が段になって積み重なっていることが分かる、と書いています。

大事なのは、どの層が何をとらえるかを、人が決めていないことです。1986年、ラメルハート(David Rumelhart)、ヒントン、ウィリアムズ(Ronald Williams)は『Nature』に、こう書きました。出した答えと正しい答えの差が小さくなるように、つながりの強さを何度も直していく(誤差逆伝播法)。すると、入力でも出力でもない途中のニューロンが、その仕事に大事な特徴を表すようになる。2015年の ResNet の論文も、特徴の段の数は、重ねる層の数(深さ)で増やせる、と書いています。

ふつうの機械学習と、何がちがうの?

深層学習も機械学習の1つですが、手がかり(特徴)の作り方がちがいます。それまでのやり方では、写真のどこに目をつけるかを決める特徴の作り方を、人が考えることが多くありました。たとえば、写真の大会(ILSVRC)で2010年に1位になった NEC のチームは、SIFT や LBP という、研究者が考えた特徴の作り方で写真を数の並びに変え、そのあとで、機械学習で分けていました。

2012年に1位になったトロント大学のチームは、写真の点の色(RGB の値)を、そのまま深いネットワークに入れて学ばせました(大会をまとめた論文)。Google の機械学習の講座も、ニューラルネットワークは、データの中の手がかりのよい組み合わせ方を、学ぶうちに自分で身につけるので、人がいくつも試して選ばなくてよい、と説明しています。

答えを教えなくても、手がかりを見つけた例もあります。2012年、Google の研究チームは、YouTube の動画から取り出した、名前の付いていない絵を、ネットワークにたくさん見せました。「これは猫」と一度も教えていないのに、ネットワークの中の1つのニューロンが、猫に反応するようになりました。論文によると、ネットワークは9層、つながりは約10億で、1000台のコンピューター(1万6000個の計算の芯)を使って、3日かけて学ばせました。

AI・機械学習との関係は、「機械学習」のページにあります。AIの中に機械学習があり、その中に深層学習がある、という入れ子の関係です。

なぜ、2010年代に急に広がったの?

考え方そのものは、ずっと前からありました。MIT のニュースの解説によると、ニューラルネットワークは1940年代に考え出され、1980年代にふたたび研究がさかんになったあと、2000年代には下火になり、2010年代に勢いよく戻ってきました。

戻ってきたいちばんのわけは、計算の力だ、と同じ解説は書いています。ゲームの絵を描くために作られたチップ(GPU)は、簡単な計算をする部分を、1つのチップに何千も持っています。研究者たちは、そのつくりが、ニューラルネットワークにとてもよく似ていることに気づきました。コンピューター歴史博物館の記事も、ニューラルネットワークの学習は、同じ形のかけ算をたくさん、同時に進めるのが向いていて、2007年に NVIDIA が出した CUDA というしくみで、GPU を絵のほかの計算に使いやすくなった、と説明しています。

データもそろいました。研究者のフェイフェイ・リー(Fei-Fei Li)が2006年に始めた写真の集まり ImageNet は、2009年に完成し、それまでのどの写真の集まりより、けたちがいに大きなものでした(博物館の記事)。2014年8月には、名前の付いた写真が約1420万枚ありました。写真の大会では、そのうち約120万枚を学びに使い、1000の種類に分けます(大会をまとめた論文)。

学ばせ方の工夫も加わりました。2012年、ヒントンたちは、学ぶ例ごとに、ニューロンの半分をでたらめに休ませる「ドロップアウト」で、覚えすぎ(過学習)を大きく減らせる、と発表しました。博物館の記事は、深いネットワーク・大きなデータ・GPU の計算の3つを初めて合わせたのが、2012年のトロント大学のネットワーク(AlexNet)で、3つは、それぞれほかを必要とした、と書いています。

2012年の写真の大会で、何が起きたの?

写真に写っているものを当てる大会 ILSVRC は、2010年から毎年開かれました。写真1枚に、答えの候補を5つまで挙げ、その中に正しい答えが無かった割合(低いほどよい)を比べます。大会が始まったときの1位は、28.2%でした(大会をまとめた論文)。

2012年、トロント大学の大学院生のクリジェフスキー(Alex Krizhevsky)とサツケバー(Ilya Sutskever)、指導したヒントンのチーム(SuperVision)は、パラメーター(計算に使う数)が6000万個の深いネットワークで、16.4%を出しました(ほかの写真でも前もって学ばせた版は15.3%)。2位は26.2%で、大きな差でした。学ばせたのは、NVIDIA の GPU を2つ入れたコンピューターで、場所はクリジェフスキーの両親の家の寝室でした(博物館の記事)。

大会をまとめた論文は、この年を、大きな深いニューラルネットワークが登場した「転換点」と呼んでいます。博物館の記事は、AlexNet の前は、画像を見分ける研究の主な論文のほとんどが、ニューラルネットワークを使っていなかったのに、その後はほとんどすべてが使うようになった、と書いています。2014年には、大会の上位のチームは、どこも深層学習(畳み込みニューラルネットワーク)に大きく頼っていました。1位のまちがいの割合は、2014年に6.7%、2015年に3.57%まで下がりました。

人と比べると、どうでしょう。大会の論文では、500枚で練習した専門の1人が、1500枚の写真で試して5.1%でした。同じ写真で、2014年の1位の GoogLeNet は6.8%で、この時点では人のほうが上でした。2015年2月、Microsoft の研究者たちは4.94%を出し、論文で「私たちの知るかぎり、人の水準(5.1%)を初めて超えた」と書いています。ただ、まちがえ方はちがいます。大会の論文によると、機械(GoogLeNet)は、とても小さいものや細いものを見分けるのが苦手で、人は、よく似た細かい種類の見分けでまちがえやすいのです。

層は、増やせば増やすほど、よいの?

そうとは限りません。2015年、Microsoft の研究者たちは ResNet の論文で、「よいネットワークを作るのは、層を重ねるだけでできるほど、かんたんなのか?」と問いかけました。層をそのまま重ねたネットワークを、写真のデータ(CIFAR-10)で試すと、56層のものは20層のものより、学びに使ったデータでも、試しのデータでも、まちがいが多くなりました。

論文は、これは覚えすぎ(過学習)のせいではない、と書いています。過学習とは、学びに使ったデータを覚えすぎて、そのデータではよく当たるのに、初めて見るデータでは外れることです。過学習なら、学びに使ったデータでのまちがいは、むしろ小さくなるはずだからです(くわしくは「機械学習」のページ)。深くするほど、うまく学ばせること自体が難しくなるのです。

そこで論文は、いくつかの層を飛びこえて、入力をそのまま先へ渡し、層が出した結果に足し合わせる「近道」をつけました。近道は、計算に使う数も、計算の量も増やしません。こうして152層まで深くしても学べるようになり、深さのちがう ResNet を組み合わせたもので、2015年の写真の大会(ILSVRC)の分類で1位(3.57%)になりました。深くすれば強くなる、というのは、学ばせ方を工夫して、はじめて成り立つのです。

弱いところは?

人には分からないほど小さな変化で、まちがえることがあります。2013年、セゲディ(Christian Szegedy)たちは、写真に、人の目では気づけないほど小さな手を加えるだけで、ネットワークに写真を見まちがえさせられることを示しました。同じ手の加え方で、同じデータの集まりの別の部分で学んだ、別のネットワークも、まちがえることがありました。

なぜうまくいくのかが、作った人にもよく分からないことがあります。Google の研究者たちは2015年、うまく働くネットワークと、そうでないものがあるわけを、実は驚くほど分かっていない、と書いています。ゼイラーたちのように、層が何をとらえているかを調べる研究は、それを知るためのものでもあります。

たくさんのデータと計算が要ることも、弱いところです。猫に反応するニューロンが育った Google の実験では、1000台のコンピューターで3日かかりました。また、機械学習の1つなので、学びに使ったデータのかたよりも、そのまま身につけてしまいます(くわしくは「機械学習」のページ)。

どこで使われているの?

写真のほかに、声を文字にする音声認識でも、早くから成果が出ました。2012年、4つの研究グループが共同で書いた論文は、隠れ層をたくさん持ち、新しいやり方で学ばせた深いネットワークが、それまで使われてきたやり方(ガウス混合モデル)を、いくつもの試験で上回り、大きな差がつくこともあった、と書いています。

ChatGPT のような、文を作るAI(大規模言語モデル)も深層学習です。いちばん広く使われている作り方のトランスフォーマーは、層を何段も重ねた、巨大なニューラルネットワークです(Google の講座)。2020年の GPT-3 は、層が96段、パラメーターが1750億個でした(くわしくは「トランスフォーマー」と「大規模言語モデル」のページ)。

2024年のノーベル物理学賞は、「人工のニューラルネットワークによる機械学習を可能にした、基礎となる発見と発明」に対して、ホップフィールド(John Hopfield)とヒントンに贈られました。発表したスウェーデン王立科学アカデミーは、ヒントンが、データの中の特徴を自分で見つけるやり方を発明し、今の機械学習の爆発的な発展を始める助けになった、と書いています。

確認問題

  1. 問1写真を見分けるAIを作るとき、深層学習が、それまでのやり方と大きくちがうのは、どんな点?

    答えと解説

    答え:C 写真の手がかりを、学ぶうちに自分で見つける点

    それまでのやり方では、写真のどこを手がかりにするか(特徴)の作り方を、人が考えることが多くありました。2010年の写真の大会で1位になったチームも、SIFT や LBP という、研究者が考えた作り方を使いました。深層学習では、写真の点(画素)の色をそのまま入れ、手がかりは層が学ぶうちに見つけます。学ぶための写真は、むしろたくさん要ります(大会では約120万枚の写真を学びに使いました)。

    くわしくは → ポイント解説:ふつうの機械学習と、何がちがうの?

  2. 問22012年、写真に写っているものを当てる大会(ILSVRC)で、トロント大学のチームが、深層学習のネットワークで大差の1位になりました。そのネットワークを学ばせたのは、どんなコンピューター?

    答えと解説

    答え:A ゲーム用の絵を描くチップを、2つ使ったもの

    学ばせたのは、NVIDIA の GPU を2つ入れたコンピューターで、場所は、チームのクリジェフスキーの両親の家の寝室でした(コンピューター歴史博物館の記事)。GPU は、もとはゲームの絵を描くためのチップで、たくさんの簡単な計算を同時に進められるので、ニューラルネットワークの計算に向いていました。

    くわしくは → ポイント解説:2012年の写真の大会で、何が起きたの?

  3. 問3層をそのまま重ねるだけだと、深いニューラルネットワークは、うまく学ばせにくいことがあります。2015年、Microsoft の研究者たちは、ある工夫を足して、152層のネットワークでも学べるようにしました(ResNet)。足したのは、どんな工夫?

    答えと解説

    答え:B いくつかの層を飛びこえて、入力を先へ渡すしくみ

    足したのは、いくつかの層を飛びこえて、入力をそのまま先へ渡し、層が出した結果に足し合わせる「近道」です。層を深くすると、いつもまちがいが増えるわけではありません。写真の大会では、2014年は22層、2015年は152層までのネットワークを組み合わせたものが1位になりました。ただ、深いほど学ばせるのが難しく、層をそのまま重ねるだけでは、深くしたのに、かえってまちがいが増えることがありました。近道は、そこを助けました。ニューロンの半分を休ませるのは、覚えすぎを防ぐドロップアウトという、別の工夫です。層が何をとらえるかは、人が決めず、層が学ぶうちに見つけます。

    くわしくは → ポイント解説:層は、増やせば増やすほど、よいの?

参考文献と確かめ方

このページは、上の資料をもとにAIが書き、書いたAIとは別のAIが、資料の本文と照らして確かめました(2026年11月8日)。理学の修士号と、高校理科の教員免許を持つ人も読んで確かめてから出しています。数字は、その時点のものです。わかりにくかったところ、誤りのご指摘、解説してほしい用語は、[email protected] へお寄せください。

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