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機械学習とは?

別の呼び名:Machine learning、ML、マシンラーニング

用語解説 ・ 確かめた日 2026年11月8日 ・ 読む 13分

1分で解説

コンピューターにたくさんの例を見せて、見分け方や答えの出し方を、コンピューター自身に見つけさせるやり方のことです。

人が手順を1つずつ書いて教えるのではありません。たとえば、写真に猫が写っているかどうかは、人ならすぐに分かります。でも、その見分け方を、コンピューターへの手順として書き出すのは、とても難しいことです。そこで、「猫がいる」「猫がいない」の答えを付けた写真をたくさん見せて、見分け方をコンピューターに身につけさせます。迷惑メールのより分けも同じです。学び終えたら、初めて見る写真やメールにも答えを出せます。

ChatGPT の中にある大規模言語モデル(LLM)も、ものすごくたくさんの文章から学んだ、機械学習の1つです。英語では machine learning といい、ML と略します。

よくある思い込み

「機械学習とAI(人工知能)は、同じもの」

半分は合っています。Google の機械学習の用語集も、近ごろは、この2つを同じ意味で使う会社や団体もある、と書いています。でも、もとの意味では、機械学習はAIの中の1つの分野です。たとえば EU(ヨーロッパ連合)のAIの法律は、AIを作るやり方として、データから学ぶ機械学習と並んで、書きこまれた知識から論理で答えを導くやり方も挙げています(人が決めた決まりのとおりに動くだけのプログラムは、AIに入れていません)。そして、深層学習(ディープラーニング)は、機械学習の中の1つのやり方です。つまり、機械学習はAIを作るやり方の1つで、AIのすべてではありません。

図で解説

ふつうのプログラムと機械学習を比べる図(例は、このページで作った迷惑メールのより分け)。題「決まりを書くのは、人? コンピューター?」。左の「ふつうのプログラム」:人が決まりを書く。「決まり①『当選』があれば迷惑」「決まり②『無料』があれば迷惑」→「決まりのとおりに分ける」。下に「決まりは、人が考えて1つずつ書く」「書いていない決まりは、使えない」。右の「機械学習」:例から、決まりを見つける。「迷惑」「ふつう」「迷惑」の印が付いたメール3通と「…」。「印を付けた例を、たくさん見せる」→「コンピューターが、見分け方を見つける」→「初めてのメールも分ける」。下に「決まりは、コンピューターが例から見つける」。いちばん下の帯:母親が写った写真はだれでも選べるが、選ぶ手順はだれも書けない(ミッチェル、2006年)。
左のふつうのプログラムでは、迷惑メールを見分ける決まりを人が考えて書き、コンピューターはそのとおりに分けます。書いていない決まりは使えません。右の機械学習では、「迷惑」「ふつう」の印を付けたメールをたくさん見せると、コンピューターが見分け方を自分で見つけ、初めてのメールも分けます(メールと決まりは、このページで作った例)。下の帯は、ミッチェルの2006年の文章から。
AI・機械学習・深層学習の関係を、入れ子の枠で表した図(Google の用語集と、EU のAI法から)。いちばん外の枠「AI(人工知能)」:むずかしい仕事をこなすプログラム。例:書きこまれた知識から論理で答えを導くしくみ。その中の枠「機械学習」:データから学ぶ。例:迷惑メールのより分け、雨の量の予想。そのまた中の枠「深層学習(ディープラーニング)」:層を何段も重ねたニューラルネットワーク。例:写真の見分け。いちばん中の点線の枠に「大規模言語モデル(LLM)」。いちばん下の帯:近ごろは、AIと機械学習を同じ意味で使う会社や団体もある(Google の用語集)。
外の枠ほど広い言葉です。AIの中には、データから学ぶ機械学習のほかに、書きこまれた知識から論理で答えを導くやり方もあります(EU のAI法)。機械学習の中で、層を何段も重ねたニューラルネットワークを使うのが深層学習で、ChatGPT などの大規模言語モデルも、ここに入ります。ただ、下の帯のように、AIと機械学習を同じ意味で使う人もいます。
機械学習で「学ぶ」ことを表す図(線の形は、このページで作った例)。題「学ぶとは、まちがいを少しずつ減らすこと」。左は、くり返しの3つの箱。①今の数で、答えを出す(写真やメールを入れて)→ ②正しい答えと比べる(まちがいの大きさを測る)→ ③数を少しだけ動かす(まちがいが減る向きへ)→ 矢印で①に戻る。その下に「①〜③を、何度もくり返す」「数(パラメーター)は人が決めない」。右はグラフ。縦は「まちがいの大きさ」、横は「くり返した回数」。実線の「訓練データ」は、ずっと下がり続ける。点線の「取っておいたデータ」は、下がったあと、途中から上がる。上がり始める所に縦の点線と「ここから過学習」。いちばん下の帯:学びに使わないデータでまちがいが増え始めたら、過学習のしるし。
左は、学ぶときのくり返しです。今の数で答えを出し、正しい答えと比べてまちがいの大きさを測り、まちがいが減る向きへ数を少しだけ動かします。右のグラフでは、学びに使った訓練データ(実線)のまちがいは減り続けますが、学びに使わずに取っておいたデータ(点線)では、途中から増え始めます。これが過学習のしるしです(線の形は、このページで作った例)。

たとえるなら

解き方を全部教わる生徒と、問題集で練習する生徒

ふつうのプログラムは、先生が「この形の問題は、こう解く」と、解き方を1つずつ全部教えるやり方に似ています。教わっていない形の問題が出ると、手が出ません。

機械学習は、問題と答えのセットをたくさん渡して、解いては答え合わせをする、をくり返してもらうやり方です。外れたら、考え方を少しだけ直します。続けるうちにこつが身につき、初めての問題も解けるようになります。ただし、問題集の答えを丸暗記しただけだと、同じ問題は満点でも、初めての問題は解けません。これが「過学習」です。だから、腕前を確かめる問題は、練習には使わずに取っておきます。

たとえが合わないところもあります。人の生徒は、問題集の答えがまちがっていれば、おかしいと気づけることがあります。機械学習は、渡された例と答えから学ぶので、例がかたよっていたり、答えがまちがっていたりすると、それもそのまま身につけてしまいます。どんな例を集めて見せるかを決めるのは、人です。

ポイント解説

「学ぶ」って、コンピューターの中で何が変わるの?

変わるのは、計算に使う数です。機械学習で作るものを「モデル」といい、入れたもの(写真やメールなど)から答えを出す計算のしくみです。その計算に使う数を「パラメーター」と呼びます。たとえば、気温や湿度から雨の量を当てるモデルなら、どの手がかりを、どれくらい重く見るかを数で表します(Google の機械学習の入門講座の例)。

学び始めは、数を0に近いでたらめな値にしておきます。そこから、①今の数で答えを出す、②正しい答えと比べて、どれくらいまちがえたか(「損失」)を測る、③まちがいが小さくなる向きへ、数を少しだけ動かす、をくり返します。これ以上まちがいが減らなくなったら、学び終わりです。このやり方を「勾配降下法」といいます。Google の講座は、学習の目的を「損失をできるだけ小さくすること」と説明しています。

数を人が1つずつ決めるのではありません。大規模言語モデル(LLM)では、この数が数千億個から、数兆個にもなります(Google の講座。くわしくは「大規模言語モデル」のページ)。

学び方には、どんな種類があるの?

Google の機械学習の入門講座は、主な種類として、教師あり学習・教師なし学習・強化学習と、生成AI(使う人が入れたものから、新しい中身を作り出すモデル)を挙げています。

教師あり学習は、正しい答え(「ラベル」)の付いた例をたくさん見て、答えにつながる手がかりを学ぶやり方です。「迷惑メールかどうか」「写真に猫がいるか」のように種類を当てるものと、「雨の量」「家の値段」のように数を当てるものがあります。

教師なし学習は、答えの付いていないデータの中から、意味のある形を見つけるやり方です。よく使うのは、似たもの同士をまとめる「クラスタリング」です。たとえば天気のデータを気温でまとめると、季節のような分かれ方が見えてくるかもしれません。まとまりに名前を付けるのは、そのデータを分かっている人です。

強化学習は、やってみた行動に、ごほうびや罰をもらいながら、ごほうびがいちばん多くなるやり方を見つける学び方です。歩くような動きをロボットに覚えさせたり、囲碁を打つ AlphaGo を学ばせたりするのに使われています。推論モデルが考え方を身につけるのにも、使われました(くわしくは「推論モデル」のページ)。

深層学習(ディープラーニング)とは?

機械学習の中の1つのやり方で、「ニューラルネットワーク」という計算のしくみを使います。ニューラルネットワークは、層を並べた計算のしくみで、層は「ニューロン」という部品でできています。入れたもの(手がかり)と、出す答えのあいだにある層を「隠れ層」といい、Google の用語集は、隠れ層が2つ以上あるものを「ディープ(深い)モデル」と呼んでいます。

たとえば2012年、トロント大学のクリジェフスキー(Alex Krizhevsky)たちは、層を8つ重ねた、パラメーターが6000万個のニューラルネットワークに、120万枚の写真を1000の種類に分けることを学ばせました。その改良版で出た、写真に写ったものを当てる大会(ILSVRC-2012)では、AIが挙げた5つの候補の中に正しい答えが無かった割合(低いほどよい)が15.3%で、2位の26.2%を大きく下回りました。

大規模言語モデルも、深層学習の仲間です。いちばん広く使われている作り方の「トランスフォーマー」は、巨大なニューラルネットワークで、層を何段も重ねています(Google の講座)。

練習では満点なのに、本番でまちがえるのはなぜ?

「過学習」かもしれません。Google の講座は、過学習を、学びに使ったデータ(訓練データ)にぴったり合わせすぎて、つまり丸暗記してしまい、新しいデータで正しく当てられなくなること、と説明しています。そして、過学習したモデルを「実験室ではよく動くのに、外の世界では役に立たない発明」にたとえています。

気づくには、学びに使わないデータを別に取っておき、学ぶ途中で、両方でのまちがいの大きさを比べます。初めは両方とも同じように減っていきます。あるところから、訓練データでは減り続ける(か、変わらない)のに、取っておいたデータでは増え始めたら、過学習のしるしです。

原因は、訓練データが本物のデータをよく表していないことと、モデルが複雑すぎることの、片方か両方です。腕前を確かめるテストは、訓練とは別の例で行い、訓練データと同じ例が混ざっていたら消すように、と Google の講座は勧めています。

データがかたよっていると、どうなるの?

機械学習は見せた例から学ぶので、例のかたよりが、答えのかたよりになることがあります。Google の講座は、こんな例を挙げています。新しい商品の売れ行きを当てるモデルを、その商品を買った人への電話のアンケートだけで学ばせました。ほかの会社の商品を選んだ人には聞かなかったので、その人たちのことは、訓練データに入っていません。

顔の写真でも、かたよりが見つかっています。2018年、研究者のブオラムウィニ(Joy Buolamwini)とゲブル(Timnit Gebru)は、顔を分析するしくみを試すのに使われる2つの写真の集まり(IJB-A と Adience)が、写っている人の79.6%と86.2%が肌の色の明るい人で、大きくかたよっていることを示しました。そこで、性別と肌の色でつり合いを取った写真の集まりを作り、顔から性別を当てる3社のしくみを試すと、まちがえる割合は、肌の色の暗い女性で最大34.7%、肌の色の明るい男性では最大0.8%でした。

アメリカの国の研究所 NIST も2019年、99の開発者の189の顔認識のプログラムを調べました。2枚の写真が同じ人かを確かめる使い方で、別々の2人を同じ人だとまちがえる割合は、アジア系やアフリカ系アメリカ人の顔では、白人の顔の10〜100倍になることが多く、どれくらいかはプログラムによりました。ただ、アジアの国で作られたプログラムの一部では、アジア系と白人の顔で、こうした大きな差がありませんでした。報告書の主な書き手は、差が何から来るのかは調べていないとしたうえで、これを「より多様な訓練データが、より公平な結果を生むかもしれない、という心強いしるし」と話しています。

身の回りの、どこで使われているの?

たとえばメールです。Google は2019年、Gmail では機械学習のモデルなどで、迷惑メール・だましのメール(フィッシング)・悪いソフトつきのメールの99.9%より多くを、受信箱に届く前に止めている、と書いています。機械学習のしくみ TensorFlow を使って、1日におよそ1億通多くの迷惑メールを止められるようになった、とも書いています(どちらも会社の発表)。機械学習は、決まりを作る人が見落としそうな形を、たくさんのデータから見つけるのに役立つ、という説明です。

声を文字にする音声認識や、写真に写ったものを見分けるしくみも、機械学習で作られてきました。カーネギーメロン大学のミッチェル(Tom Mitchell)は2006年の文章で、売られている音声認識のしくみは、どれも何かの形で機械学習を使っている、と書いています。人の手でプログラムを書くより、学ばせたほうが正しく聞き取れるからです。アメリカの郵便局では、手書きの宛名の郵便の85%より多くを、機械学習で作った文字を読むソフトで自動に仕分けている、とも書いています(どれも2006年の時点)。

ミッチェルは同じ文章で、機械学習がすでにいちばんよいやり方になっている仕事として、2つを挙げています。人が手順を書くには複雑すぎる仕事と、使う人や場所に合わせて変わる必要がある仕事です。いっぽう、行列のかけ算のプログラムのように、機械学習が役に立たないだろう仕事も残る、と書いています。

言葉はいつから? 決まった定義はあるの?

1959年7月、サミュエル(Arthur Samuel)は、IBM の研究誌に「チェッカー(西洋のボードゲームの1つ)を使った、機械学習のいくつかの研究」という論文を出しました。論文は、人や動物がしたら「学ぶ」と言われるような動きを、コンピューターにさせるプログラムの研究だ、と書き出しています。要旨には、コンピューターは、プログラムを書いた本人よりもうまくチェッカーを打てるように学べ、それにかかったのは、コンピューターが打って8〜10時間ほどだった、とあります。

定義の言い方は、いくつかあります。カーネギーメロン大学のミッチェルは、1997年の教科書『Machine Learning』の紹介のページで、機械学習を「経験によって自動でよくなっていく、コンピューターの計算の手順(アルゴリズム)の研究」と書いています。Google の用語集は「入力のデータからモデルを訓練する、プログラムやしくみ」としています。

ミッチェルは2006年の文章で、もっと細かく、こう書いています。ある仕事T(task)について、物差しP(performance)で測った成績が、経験E(experience)のあとで確かに上がるなら、その機械は学んでいる。迷惑メールのより分けに当てはめると、Tは「メールを分けること」、Pは「正しく分けた割合」、Eは「印の付いたメールを見ること」です(このページで作った例)。

同じ文章でミッチェルは、これまでのコンピューターの学問が、人の手でプログラムを書く方法を主に考えてきたのに対し、機械学習は、経験と、はじめに与える少しのしくみから、コンピューターに自分でプログラムを作らせる方法を考える、と書いています。

確認問題

  1. 問11959年の論文で、サミュエルは、西洋のボードゲーム「チェッカー」の打ち方をコンピューターに学ばせました。論文の要旨によると、プログラムを書いた本人よりうまく打てるようになるまでに、コンピューターが打った時間は?

    答えと解説

    答え:A 8〜10時間ほど

    要旨には、コンピューターは、プログラムを書いた本人よりもうまくチェッカーを打てるように学べ、それにかかったのは、コンピューターが打って8〜10時間ほどだった、とあります。

    くわしくは → ポイント解説:言葉はいつから? 決まった定義はあるの?

  2. 問2機械学習で「学ぶ」とき、コンピューターの中で変わっていくのは?

    答えと解説

    答え:B 計算に使う、数の値

    変わるのは、計算に使う数(パラメーター)です。答えを出し、正しい答えと比べてまちがいの大きさを測り、まちがいが小さくなる向きへ数を少しだけ動かす、をくり返します。この数を、人が1つずつ決めるのではありません。

    くわしくは → ポイント解説:「学ぶ」って、コンピューターの中で何が変わるの?

  3. 問3過学習が起きているとき、学びを続けると、まちがいの大きさはどうなる?

    答えと解説

    答え:C 訓練データでは減り、取っておいたデータでは増える

    学びに使った訓練データでは、まちがいが減り続ける(か、変わらない)のに、学びに使わずに取っておいたデータでは増え始めます。訓練データを丸暗記して、新しいデータで当てられなくなっているしるしです。

    くわしくは → ポイント解説:練習では満点なのに、本番でまちがえるのはなぜ?

参考文献と確かめ方

このページは、上の資料をもとにAIが書き、書いたAIとは別のAIが、資料の本文と照らして確かめました(2026年11月8日)。理学の修士号と、高校理科の教員免許を持つ人も読んで確かめてから出しています。数字は、その時点のものです。わかりにくかったところ、誤りのご指摘、解説してほしい用語は、[email protected] へお寄せください。

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